梅雨時期の内見で見るべきポイント|湿気・換気・においに注目

物件探しをするタイミングとして、梅雨の時期はあまり人気がないかもしれません。しかし、実はこの「雨が多く湿度が高い季節」だからこそ、住まい選びにおいて見落としがちなポイントをチェックできる絶好の機会でもあります。
とくに「湿気」「換気」「におい」は、梅雨時の内見でこそ気付きやすい重要な要素です。
今回は、梅雨時期に内見をする際に注目すべきポイントを、不動産のプロの視点からご紹介します。


湿気が多いこの季節だからこそ「カビ予備軍」を見逃さない

梅雨の時期は空気中の湿度が高く、室内の湿気がこもりやすくなります。そのため、普段の晴れた日では気付けない“カビや結露のリスク”が浮き彫りになる時期でもあります。
内見時にはまず「壁紙の浮きや変色」「窓枠まわりの黒ずみ」「浴室やキッチンの天井」などをチェックしましょう。特に北側のお部屋や、風通しが悪そうな収納の奥などは湿気がこもりやすく、カビが発生しやすい箇所です。
また、押入れやクローゼットの中に独特の“こもったにおい”を感じる場合、それは過去に湿気やカビが原因で発生した可能性もあります。収納スペースの扉は遠慮なく開け、においや湿度感を確かめてください。


「換気性の良さ」は窓の配置と開けやすさを要チェック

ジメジメした梅雨を快適に過ごすには、しっかりと空気が流れる住まいであることが重要です。内見の際は「窓の数」や「風の通り道」を意識して見てみましょう。
例えば、窓が一方向しかなく空気の出入り口がない物件では、梅雨時に湿気がこもりがちです。一方で、2方向に窓があれば、自然な通風が期待でき、部屋の空気もすっきりします。また、バルコニーや通気口がどの方角にあるかもチェックしておくと良いでしょう。
加えて、実際に窓や換気扇を開けてみて「簡単に開け閉めできるか」「網戸がしっかりついているか」などの使い勝手も確認しましょう。古い建物では窓の開閉が固くなっていたり、網戸が破れていたりすることもあるため、事前にチェックしておくと安心です。


「におい」は住まいの隠れたトラブルサイン?

「梅雨時の内見で意外と見落としがちなのが「におい」。部屋に入った瞬間、「なんとなく湿っぽい」「カビっぽい」「下水のようなにおいがする」と感じたら、注意が必要です。
においは、湿気と関係していることが多く、「床下の換気不足」「配管トラブル」「排水の逆流」などが原因になっている場合もあります。においは数値では測れない分、実際に現地でしかわからない重要な判断材料です。
また、内見時に芳香剤の香りが強いと感じた場合も、その裏に何か隠したいにおいがある可能性があります。できるだけ“においをごまかしていない”自然な状態での内見が望ましいでしょう。


梅雨に内見することで「住んだ後のリアル」が見える

晴れた日ばかりに内見すると、部屋の明るさや風通し、湿度の感じ方など、理想的な部分ばかりが見えてしまいがちです。しかし、あえて梅雨の時期に内見することで「日当たりの悪さ」「じめっとした空気感」「換気のしにくさ」など、住んでから感じやすい不快ポイントを事前にチェックすることができます。
これは、住んだ後の“ギャップ”をなくすという点で非常に有効です。とくに湿度に敏感な方や、カビアレルギーがある方、小さなお子様がいる家庭では、こうしたチェックは欠かせません。


見落としがちなポイントもチェックしよう

梅雨の内見では以下のようなポイントもぜひ意識して見てください。
✅室内干しスペースの確保:雨の日が続くと洗濯物の室内干しが必要になります。浴室乾燥機があるか、洗濯機置き場の上にポールがあるかなども確認しましょう。
✅換気設備の位置と性能:浴室・トイレ・キッチンにそれぞれ換気扇があるか、作動音が大きすぎないかなども大切な確認ポイントです。
✅建物全体の空気感:共用廊下やエントランスがじめじめしている場合、建物全体に湿気がこもっている可能性もあります。共用部も見学時に歩いてチェックしましょう。


まとめ|梅雨の内見はデメリットより「発見の宝庫」

梅雨の時期に物件探しをするのは、足元が悪かったり、テンションが下がったりすることもあるかもしれません。しかし、この時期だからこそ“本当に快適な住まい”を見極めるためのヒントがたくさん詰まっています。
湿気のこもり具合や換気のしやすさ、においの有無などは、天気が悪いからこそ明らかになる部分です。住んでから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、梅雨を味方にして、賢く内見を進めていきましょう。
雨音に包まれた静かな部屋で、自分らしい暮らしが想像できるか。そんな感性も、大切にしたいですね。